出産

10/31 昨夜から格闘している陣痛。

朝6時にも痛み止め入れてもらったが、あんまり効いてないような…いやでも、2割くらい軽減されたような。微妙な効き具合。そして5、6分間隔。

そして熱があるのでPCR検査をまたされる。入院してすぐにしたのに。。

 

朝9時に診察しますと言われ、朝ごはんを食べて待つ。豪華な朝ごはんだが、食事中も陣痛の痛さにたびたび手を止められてうめく。

陣痛は40秒ほど続く。だんだん痛くなってピークは20秒ごろ。そこからまただんだんと痛みが弱くなっていく。ただただ耐えて過ぎ去るのを待っていたが途中からは「負けない!」という気持ちで上の方を見ていた。気持ちは大事。

9時、分娩室で診察。解熱剤の点滴のおかげで熱は下がり、PCRは陰性だった。先生曰く、このまま自然に陣痛が強まるのを待つべきところだが、熱があると羊水の温度も上がって赤ちゃんがのぼせて危険であることから、もうここで麻酔して陣痛促進剤を使うことになった。

熱は下がってはいるものの点滴はつながれたまま、さらに無痛分娩の麻酔と促進剤を使うという荒技みたいな事態になった。

すでにセットされている管に、いよいよ麻酔を入れる。どうなってしまうんだろうと少しヒヤヒヤ。

だんだん時間が経つと効いてきて、時々助産師さんが保冷剤を当てて確認される。胸に当てるともちろん冷たい。しかし下の方に当てるとちょっとぬるい(鈍くなっている)。これを3回くらいされた。

9時過ぎに注入して、そのまま時が来るのを待つ。この間は赤ちゃんが頭で押して進んでくるときらしい。「麻酔をしても赤ちゃんには関係ないから、赤ちゃんはキツいままなんですよ」という助産師さんの言葉が重かった。私はどんどん陣痛も感じなくなり、普通に会話できるくらい楽になってしまったが赤ちゃんは狭い産道を必死でやってきているのだ。

母親にできることは、酸素を送ること。お腹の張りを感じたら深呼吸されるようにと言われる。

しかし、麻酔が効きすぎたのか陣痛の際のお腹の張りも感じなくなってしまって、途中で深呼吸を忘れてしまっていた。そこは本当に申し訳なかった。

なんかのグラフを見て助産師さんが「赤ちゃんキツそうだから酸素吸いましょう」と言われて、不織布マスクを外して酸素マスクを装着された。

いつ頃生まれるか助産師さんに聞いたら、最初は「まだまだ」とか「今日産みましょうね!」とか言われていた。間違いなく昼はすぎるだろうと言われた。

テレビ電話で繋いでいいと言われたので、分娩台から主人へその旨LINEした。オンライン立ち会いだ。分娩台でスマホスタンドを装着して中継できるらしい。

12時ごろ、1人で諸々やっていた助産師さんが膣内?に手を突っ込んで慌てる。どうやら予想外に早く子宮口が全開になったらしい。そこから数名スタッフが増えてバタバタしてくる。私自身にはまったくその進捗具合が感じられず、ポカンとしてしまった。

何時間もかかると思ってたけど、え?いよいよなのか?もう産まれちゃうの??

助産師さんが「先生が来る前に少し進めておきましょう」と言う。普通のお産と同じように、陣痛に合わせていきむのだ。私は張りがイマイチわからないままであるが、助産師がモニターを見て指示をくれる。「吸って吐いて、吸って吐いて、吸って止めてフンッ!!」これにあわせていきむ。いきむのは簡単に言うとデカいウンコを出す感じだった。感覚がよく分からないままいきむ。痛くはないから分からないままであるものの、力を入れて踏ん張るので息が苦しい。酸素マスクしてるから余計に…。

12時ごろ、旦那と普通にLINEしている。「麻酔したから痛くない」とか。

12時すぎに先生登場。何やら準備している。先生が来てまたいきむ。どの部分がどこまで出てくるのか結局今でも分からないままであるが、どうやら1番の難関らしい。吸って吐いてフン!もっともっと!がんばって!そうそう上手い!とか言われる。

しかしダメだったらしく、次の陣痛でまたいきむように言われる。先生曰く、駐車場の輪止めを乗り越えるような、鉄棒で逆上がりをするようなもので、頑張ってもダメだったら何にならないと。一発勝負らしい。いよいよかと思ってLINE繋いだほうがいいかと助産師さんに聞くと「まだまだ」と言われる。

数分後また合図が来ていきむ。私は上手かったらしく、今度はうまくいけたらしい。先生が「もう電話つないだ?」と聞く。もちろんまだつないでない。「早く繋がないともうすぐだよ」と言われて慌てて旦那にLINEテレビ電話。もう途中まで出てきてるからもうすぐ生まれると伝える。旦那もビックリしたろう。

数分後にいきむ。そしたら助産師さんが「ほら見てもう赤ちゃん出てきますよ」と言うのでびっくりする。覗き込んでも自分の股は見えなかったが、先生がドゥルンとした赤子を抱き上げた。初めて見る光景にびっくりして「わあ!出た!!」と叫ぶ。

そこから先生と助産師でへその緒を切ったりなんやかんやした後に、ドラマとかでよく聞くオギャーという泣き声。

私の横に赤子を持ってきてもらえた。スマホは私しか映してないので旦那はここで初めて赤子の姿を目にした。白のビニールみたいなものに包まれたテカテカの赤子はとても小さい。顔がどっち似とか考える余裕はないけどかわいい。頭を触るとヌルヌルしている。みんなからおめでとうございます!と言われる。スマホの向こうで旦那と母親が喜んでいる。

 

何もかもはじめての経験だったが、自分がここまで来れるなんて信じられないな、夢みたいだなーというのが1番の感想。不妊治療中は検査結果や人工授精の度に一喜一憂したし、テレビでこんにちは赤ちゃんみたいなコーナーを見るのもイヤなときあったし、希望を持つよりもあきらめそうになったことのほうが多かった。

でも日に日に可愛いさが増してくる我が子を見て、がんばってよかったなって思った。

責任も重大だけど、少しずつ楽しめたらいいな。